職種別ガイド — 営業

営業向け 職務経歴書ガイド

達成率だけでは選考は通らない。「再現性」で書く

営業の経歴書では「達成率120%」が並びがちです。しかし採用決裁者が見たいのは、その達成がどんな前提条件・自分の判断で生まれたかという再現性です。SaaS PM・カスタマーサクセスへの転換時にも有効な書き方を解説します。

01

採用決裁者が見る3つのポイント

Point 01

前提条件と自分の貢献

「達成率120%」だけでは判断できない。「既存顧客の8割が自動更新で受注ベースが安定している市場」なのか「新規開拓比率8割の高難度市場」なのかで意味は真逆。前提条件と自分の判断を必ず書く。

Point 02

失注と学びへの向き合い方

達成・成功事例ばかり並ぶ経歴書は、採用決裁者から「成果が偶発か再現的か」を判別できない。失注事例とそこから何を学び・行動が変わったかが書けると、再現性が伝わる。

Point 03

数字を超える資産形成

受注数字に加え、業務プロセス・営業資料・後輩育成など、自分が組織に残した資産が書けると、長期的な貢献が見える。

02

リライト事例

法人営業 → SaaS PM への転換

Before — 落ちる書き方

法人営業として、新規開拓・既存顧客の深耕を担当。ノルマ達成率:120%(直近3年平均)。チームリーダーとしてメンバー5名のマネジメントも経験。

After — 通る書き方

法人向けSaaS事業の営業として、新規開拓・既存顧客深耕を担当。

【担当領域】
年間商談数 150件 / 平均商談規模 800万円 / 新規:既存=4:6。

【成果と意思決定】
既存顧客の解約予兆を商談履歴から定量化する分析を独自に構築。解約予兆スコア上位20社へ集中アプローチした結果、既存顧客のアップセル比率を 32%→58% に改善。事業全体のARRに対し +12% の貢献。

【マネジメント】
5名チームのリードとして、商談プロセスの標準化・週次レビューの設計を主導。新人2名の独力受注までの期間を 9ヶ月→4ヶ月 に短縮。

【PMロールへの接続】
顧客の解約予兆分析・プロセス標準化は、SaaS PMが担う「機能優先度の判断」「カスタマーサクセス連携」と同じ思考プロセス。

ポイント:営業の業務を「PMの評価軸(数値で意思決定する・プロセスを設計する)の言葉」に翻訳する。「PM未経験」のハンディを、思考プロセスの近さで埋めにいく書き方。

03

NG表現とリライト例

NG

達成率120%、3年連続トップセールス。

OK

新規開拓比率70%の市場で、年間120件の商談を担当。前提条件を踏まえた上で達成率120%を3年継続。第1位/15名。

なぜ:達成率は「前提条件」がなければ評価できない。市場特性・商談量・自分の順位まで書く。

NG

顧客との信頼関係を構築し、長期的な取引関係を維持。

OK

担当顧客120社のうち、3年継続率92%を実現。継続要因として「顧客課題の半年ごとの再ヒアリング」と「課題に対する自社サービス以外の選択肢提示」を仕組み化。

なぜ:「信頼関係」は抽象。何を仕組み化したか、結果としてどんな数字に繋がったかを書く。

NG

新規開拓営業として、テレアポ・飛び込み・紹介営業を担当。

OK

業界別ターゲットリスト(300社)を独自構築し、初回アポ獲得率を 業界平均6%→12% に改善。獲得チャネル別 ROI 分析に基づく週次計画を運用。

なぜ:営業手法を羅列するのではなく、何を独自構築し、どんな効率化を実現したかを書く。

04

スキル・実績の翻訳表

業界用語 → 採用決裁者の評価軸

業界用語・自己申告
評価軸への翻訳
新規開拓営業
市場分析に基づくターゲット選定と効率化の設計
既存顧客深耕
顧客の事業課題の継続的把握とアップセル機会の発見
提案営業
顧客課題の構造化と意思決定者向けの提案最適化
売上目標達成
前提条件を踏まえた成果の再現性と仕組み化
マネジメント経験
営業プロセスの標準化と再現性の高いチーム作り
顧客折衝
意思決定者の構造把握と利害調整の設計

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